【カンゲキ記録】
NODA‣MAP 贋作 桜の森の満開の下@東京藝術劇場

_20180908_213905

目にも耳にもひたすら美しい作品。
全てが完璧だと感じた。

チケットが取れた時、2階席とわかってちょっとガッカリしたけれど、
舞台全体、奥行まで見守ることができて実はこれはこれでよかったと思えた。
ステージの間に変形花道のようなスロープがあって、そこからも人が出入りする。
面白い仕掛け。
ずっと走り回る妻夫木くんが可愛くもあり、その体力・気力に感服。
そしてこのひと、やっぱり膝を抱える仕草が最高に萌える♡
ちょうど3年前、初めてのスジナシでかなりの至近距離でその姿を目の当たりにしたことが
フラッシュバック。2階席からでも、瞼の裏のイメージとリンクしてひとりキュンとなる(苦笑)

ストーリーは昨年納涼歌舞伎を観たので2回目ではあるのだけど、
情報量が半端なくて、
いろんな思惑や展開やメッセージが絡まりすぎていて、終わってもまだ、
正直に、やっぱりよくわからない。
ただただ、この場にいられる幸せ、喜び。
ただただ、目の前で繰り広げられるさまざまを追いかけるのに精いっぱい。
実は、わたしたちの生きている世界って、こんな感じなのかも、
と、今、これを記しながらふと思ったりする。
どんな物語でも結局は誰かの視点で語られ、起承転結でまとまる。
それが文学となる、演劇となる。
絶えず流れているながい、ながい時間。
その中のある一定の時間を切り取って見せているだけで、
何かわかった気になったり、感情移入したり、しているけど
人間が生きている、ということはこういうことなのかも。

今のわたしたちが認識している“歴史”も、結局は、ものがたり。
誰かが誰かの視点で切り取った物語に過ぎなくて、
本当のこともそこにはあるけど、
語られることのない、抹消される、書き換えられる本当のこともある、のだ。

相変わらず、畳みかける、まくしたてる、言葉遊び、日本語遊び。
耳にも、脳にも心地よい刺激。

全てが美しい2時間半。
布やゴム紐での切り取り方、隠し方、広げ方が素晴らしい。
照明、色使い、衣装、板の上に立つ役者の方々。全て美しい。

妻夫木くんのエイジレスなかわいさ、男性としての美しさ。
深津絵里ちゃんのエキセントリック、ぶっ飛んだお姫様。
声が楽器みたい。仕草もものすごくかわいい、お姫様ぶり。
狂ってる。かわいい、恐ろしい、切ない。
天海さんの、“ミカド”たる気高さ、存在感。立っているだけで品がある。すごい。
安定の古田さん、大倉さん、藤井君。
超超超安定の秋山さん、銀粉蝶さん。
そんな方たちに引けを取らない麦ちゃん。きっとこれでまた自信と力を増すのだろう。
このキャスティング。個々のパフォーマンスの完成度。
作品としての全体のこの完成度。
野田さん、恐るべし。
パリの人たちは何を感じ、どんな反応をするのだろう。興味津々。
これから日々ますますブラッシュアップされていくはずで、
2か月後の11月の東京、やっぱりものすごく観てみたいと強く思った。

「火の鳥」の舞台化がベースにあったというのを今更知った。
そうだったのか。言葉が見当たらない。
そうさせた手塚治虫さんがすごい。実現した野田さんがすごい。
体現しているキャストたちがすごい。
関わっている全てのひとが、すごい。
ものすごく贅沢なものを体験できたのだ、わたし。

権力。欲。民衆。個人の葛藤。まつりごと。争い。裏切り。結束。信仰。嘘。真実。

最後の夜長姫の、唯一、彼女の本音のような台詞。
好きなものは、呪うか殺すしかない。
そうなのかな。
わたしは、好きなものには、きれいで、豊かで、穏やかで、あたたかさをのぞみたい。
きれいごとだけでは済まないのはもちろん、理解するけど。
好きすぎると狂気になるのか。
その狂気が、人間のチカラとなる。
創造力の源となるか、破壊・破滅の源となるか。
紙一重。
_20180908_213934


ありがとうございます!


観劇 ブログランキングへ